11/18に放送されたモーニングバードを見られた方から相談があり、今回はこれについて。
番組内容は以下の通り
つらい腰痛…原因は「歪み仙骨」だった!
推定患者数は約2800万人と国民の4人に1人が腰痛に悩んでいる。石原良純は「腰痛の原因がわかっている人は全体の約15%。残りの85%は原因不明と言われています。しかし、最近、新たに判明した腰痛の原因があるといいます」と話す。「アカデミヨシズミ」コーナーで「腰痛に新事実」を取り上げた。
前かがみ姿勢続くと傾き拡大
東京女子医科大学の東医療センター整形外科の神戸克明准教授は「原因不明の腰痛は仙骨の歪みによる場合が多い」という。仙骨は骨盤の中央にあって、背骨を支える土台の役目を果たす。この骨が歪むと『歪み仙骨』となり腰痛を引き起こす。
司会の羽鳥慎一「美容師さんなどは仕事柄、前のめりになることが多いから腰痛になりやすいかもしれないですね」
神戸准教授 「前屈姿勢の作業が多い方は、体のバランスを取ろうとして仙骨が後ろ側に傾いてしまい、知らず知らずのうちに仙骨を歪めてしまいがちです。上向き姿勢で寝ることも腰に負担をかけます。背骨はS字カーブを描いているものなのですが、仰向けで寝ると背中とお尻の部分が沈み込んで、仙骨の反り返る角度が大きくなります」・・・・・・
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よーするに仙骨の傾くことによって背骨が前弯して腰痛になるって話みたい。
ニワトリが先か卵が先か?
それに前のめり姿勢で湾曲そして腰痛?
なら、中国雑技団や新体操の選手は存在しえないことに?
世界的権威の学術誌SPINに発表された研究論文を引用いたします。
番組内で臨床20年(だったかな?)で気づいた なんて話があったけど、
RCT(ランダム化比較試験)の積み重ねによって初めて真実が浮かび上がってくるのです。
個人の主観的経験がいかに不正確であるのかを感じ取っていただければ幸いです。
当ブログ 骨盤の歪みが原因? も合わせてご覧ください。
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Hansson T.らによる研究です。
学術誌 『 Spine 』 1985年 に報告されています。
調査の内容は、このようなものです。
【対象】 健常者、急性腰痛患者、慢性腰痛患者、
それぞれ 200人。
年齢は、20歳~63歳。
【方法】腰椎のエックス線撮影を行い、腰の反り具合を計測した。
ファーガソン・アングル(仙骨上端面と水平線との角度)を比較。
【結果】 健常者、急性腰痛患者、慢性腰痛患者 の間で、
差は見られなかった。
腰部前彎の強弱と腰痛とは無関係であるので、
医師は、腰部前弯に関するコメントを控えるべきである。
これも、ちょっと驚きの結果ではないでしょうか。
なぜって、今まで私たち日本人は、
腰が反っている → 腰痛 だと信じてきたのですから。
しかし、結果は上の通り。
腰部前弯(前へのソリ)の強弱と腰痛とは無関係 ということです。
さらに、ある意味、これ以上に注目すべき結果があります。
医師は、腰が反っているというコトを、患者に対してコメントするな!
というのです。なぜなのでしょうね。
つまり、こういうケースです。
仮にあなたが、腰痛で苦しんでいるとします。
腰痛を治してもらいたくて、医師の診断を受けました。
医師があなたに、おもむろに言います。
「腰が反りすぎてますね・・・」
これを聞いたあなたは、その言葉をどんな風に受けとめますか。
・・・ 腰が反りすぎているから、腰痛なんだ。 ・・・
普通、こう、受けとめますよね。
医師の口から出たコメントを聞いてしまうと、
患者は、腰の反りすぎと自分の腰痛とが「無関係」だとは、まず考えません。
その2つを、強く結びつけてしまいます。
しかし、
腰部前弯(前へのソリ)の強弱と腰痛とは、関係がありません。
「医師のコメント」の恐さは、ここにあります。
だから、この研究をしたHansson T.らは、
医師は、腰が反っているというコトを、患者に対してコメントするな!
と主張したのです。
腰痛白書より引用
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上記データをみれば、原因がわかっている15%ってほんとうか?
画像で構造上の異常がみつからなければ原因不明
ヘルニアやすべり症、脊柱管の狭窄がたまたまみつかれば
それのせいってか?
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次は整形外科医 加茂先生のブログ 心療整形外科 より
これは70歳女性です。
骨粗鬆症の検査のため撮りました。長時間すわっているとお尻が痛くなるそうですが、特に腰痛で悩んでいるのではありません。
このようにレントゲンの印象と痛みの間には明確な関係はありません。
「椎間孔がせまくなって神経を圧迫している」「脊柱管狭窄がある」
「すべり症がある」「ヘルニアが神経を圧迫している」・・・
痛みに対してこのような診断は理論的根拠はなく、医師の個人的な思い込みなのです。
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さらに、加茂先生は
ヘルニアや脊柱管狭窄が原因で痛みやしびれがでることは決してありません。
医師は思考能力が停止しているとしか思えません。
こんなことしてたら、ますます慢性痛の人が増えます。
代替治療家との差がどんどん広がっていきます。
神経線維は圧迫を受けたところでなにも起きません。
絞扼(しめつけ)されると痛み、しびれではなく「麻痺」が生じます。
麻痺と痛みは真逆の生理現象です。
麻痺は電気現象が起きていない。
痛みは電気現象が起きている。
画像検査(レントゲン、MRI)は悪性腫瘍、感染症、リウマチ系、骨折など、の除外診断しかありません。
「脊柱管が狭い、ヘルニアがある、椎間板が悪い」・・・
こんなことが痛みの原因ではありません。
だから健常人でもヘルニアのある人はたくさんいます。
生理学でも説明できません。疫学的にも説明できません。臨床経過でも説明できません。
ただ、医師が個人的にそう思っているということです。
科学で証明されているわけではないのです。
20世紀に流行った診断のしかたです。日本では未だにこれが行われています
もう、これが間違いだったことは分かっていることです。
痛みは早く止めることです。そして慢性化しないようにすることです。
と、おっしゃっています。
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これ書いてる最中も、
駆け込みドクター
こり&しびれの原因・・・体のゆがみを矯正SP
なんてやってたけど・・・
どう思われますか?
併せて、当ブログ
もご覧ください。
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