先日、腰痛中の方から、骨盤ベルトについての相談を頂いたので、今回は骨盤についての情報を2点。
骨盤の非対称性と腰痛とは関連がない、という報告
Levangie PK が、こんな調査をしました。
学術誌 『 Spine 』 1999年 に報告されています。
【対象】
健常者138名と、発症後1年以内の腰痛患者144名。
【方法】
骨盤の歪みを示す以下の4項目について、厳密に測定し、腰痛との関連を調査。
・立位と座位での両PSISの傾き
・立位での両ASISの傾き
・ASISからPSISまでの距離
・下肢長差
※ PSIS:後上腸骨棘。骨盤の左右の骨(腸骨)の後ろのでっぱりの一つです。
ASIS:前上腸骨棘。骨盤の左右の骨(腸骨)の前のでっぱりの一つです。
【結果】
骨盤の非対称性と腰痛とは、どのような臨床的意義においても関連がない。
目の前に、腰痛で来院している患者さんがいる。
骨盤の歪みを測定してみたら、歪みがハッキリ確認できた。
だから、これが腰痛の原因だろう・・・
ついこのように、結びつけてしましまいがちなのです。
しかし、
歪みは、結果として表れるものであって、その原因ではありません。
骨盤の歪みと腰痛とは、関連がありません。
腰痛白書より引用
当ブログ
も併せてご覧ください。
次に、昨年放送された「カラダのキモチ」という番組から。
「実はゆがまない?!骨盤メンテナンス大作戦」
船山 敦先生(医学博士、慶應義塾大学病院整形外科)は
「骨盤そのものは硬い骨なので、歪んだり変形したりしない」
と言われた。
番組中、立った状態でレントゲン撮影すると、左右どちらかに骨盤が傾いていたが、
仰向けで寝た状態でレントゲン撮影すると、左右の傾きはみられなかった。
これは立ち方に問題があるためで、重心が移動したために傾いてしまっている。
骨で身体を支えているというより、筋肉で骨を支えている、それらの筋肉の使い方で、右にも左にも身体は傾こうとする。
その筋肉をコントロールしているのは脳・神経系。「神経のはたらき」によって体のバランスを保つことができる。
神経のはたらきが乱れているところを探し出し、調整するのがカイロプラクティック。
これまで書いてきたとおり、「骨のズレ」や「骨盤の歪み」が症状の原因ではなく、
「脳・神経系の誤作動によってもたらされた結果である。」ということ。
「骨がズレる」や「骨盤が歪む」など、いかにも最もらしい言葉で、雑誌などで読者の不安を
あおる。
××商法か?
よく、骨盤矯正で小・に、骨盤ダXXXXなど見かけますよね。
たしかに施術で見た目がかわることがあります。
当院では、全身のバランスを重視していますので、部分だけというようなことは行いませんが、
下肢、骨盤のチェックの後、あまりの変化におもわず笑ってしまったことがあります。
お尻の形が変わり、日本人女性にはわりと多いといわれている、XO脚がすっきり。
施術前に写真撮っておけばよかったね!って
これとて、
歪んでいるから、ズレているからと矯正したのではありません。
アクティベータメソッドで行うアイソレーションテストと呼ばれる検査によって、神経の流れに異常あり と判断したからその箇所の調整を行ったのです。
当然のことながら外見上はどうあれ、神経の流れに問題がなければ調整の必要なしということです。異常があってこその調整です。
見た目の変化は結果としての産物であって、そもそもの目的ではありません。
原因(神経系の機能異常)を除去すれば、結果としての歪みやズレは、落ち着くべきところに落ち着く、ということです。
次に、加茂整形外科ホームページより
筋骨格系の痛みは構造(器質、organic)の 異常によるものではなく、 生理機能(functional)の異常によるものなのです。その根拠として次のようなことが挙げられます。
- レントゲンやMRIの画像所見と痛みは一 致しない。
- 誘因なく痛みが始まることが多い。
- 痛みの場所が変わることが多い。
- 保存的治療で改善する。
痛みとはとても個人差の大きなものなのです。他人の痛みを推し量ることは困難です。それは他の感覚と大きく異なる点です。
損傷の大きさと痛みの強さは比例しません。損傷が治ると痛みも治るという保証はありません。構造と痛み、損傷と痛みはいつも分けて考える必要があります。
従来の説明:
思い込み、レントゲンやMRIの画像の印象、
科学的、理論的、統計的にも説明がつかず矛盾だらけ。
- 神経が押さえられているから痛い
- 神経が癒着しているから痛い
- 軟骨がすりへっているから痛い
- 椎間板がつぶれているから痛い
- 腰椎にすべりや分離があるから痛い
- 骨盤のゆがみがあるから痛い
- 仙腸関節のずれがあるから痛い
- 姿勢がわるいから痛い
- 筋力がないから痛い
科学に基づいた説明
痛みは電気信号なのです。発痛物質が侵害受容器を刺激すると電流が生じます。それが神経繊維を通って脳に伝えられます。脳でその電気信号をいろいろな情報を通して「痛い」と判読しているのです。
神経繊維(電線)が傷んでいても電流が流れなければ痛みを感じません。電流が生じるにはエネルギーが必要です。外力がエネルギーとなるのは外傷初期の鋭い痛みです。
病態時の痛みは情動(心の動き:交感神経の緊張)がエネルギーとなります。
痛みやしびれの画像診断(レントゲン、MRI)は骨折や悪性腫瘍、感染症の除外診断意 味しかありません。痛みやしびれはハード(人体の構造)の問題ではなくてソフト(自律神経、記憶、情動など)の問題だからです。だから、痛みを取ることを目的とした手術(構造を変える)に関しては疑問を持たざるをえません。 (加茂整形外科ホームページより引用)
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